DはデジタルのD

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ピケティ本、狂騒曲(^^ゞ

http://www.sankeibiz.jp/econome/news/150316/ecf1503161558002-n1.htm

最低30ページならわかりますが平均30ページとは。いくら長くてもそのぐらいは読めそうな・・^^;。

この本は一般読者向けの本で、経済学の本ではありますが経済学者向けの専門書ではありません。経済学者なら知っていそうなこともいろいろ丁寧に説明しています。だから長くなっているというところがあります。
ですからマクロ経済学の基本のある人は早く読めるようです。

この書評記事はけっこうまともに本の内容を紹介しているのですが、少々、気になるところもあります。

資本主義経済の発展に伴い、格差は一度拡大するが、やがて小さくなっていくというクズネッツ(1901~85)の学説も批判する。この部分が、アベノミクス批判によく引用されるところだ。

これは「アベノミスク批判者が都合よくピケティ本を利用している」のが正しい表現ですね。下記などを参照。

toyokeizai.net http://toyokeizai.net/articles/-/60156

ピケティはクズネッツの実証を踏襲して、クズネッツの計測した期間がたまたま格差は小さくなっている期間だったと言っているに過ぎません。否定というより、その上に載った論のわけです。

問題は、クズネッツの結論を前提として現在の経済学が組み立てられているところがあるのです。つまり、前提が崩れると、これまでの経済学の考え方がガラガラと崩れてしまう。。

本文を100ページ余り残した489ページからの第IV部「21世紀の資本規制」で、論争と批判の的になっている富裕層の財産への課税強化、金融資産を監視する国際的な連携を提案する。左派色がにじみ出るところだ。序章の「はじめに」に戻ってみると、マルクス(1818~83)に対するシンパシーがほの見えたりする。

この辺りが、産経の書評の真骨頂(?)とも言える表現ですが、ピケティは左派ではありますが、ピケティ自身は「マルクスはきちんと読んだことがない」と言っています、そこに「マルクスへのシンパシー」と産経の読者が好みそうな表現を入れるところが意図的な誘導を感じます。 そもそも、この本自体はマルクス経済学とは全く関係ないのですが。。

ということで、ピケティ本の人気にあやかって、皆さん、自分の都合よいように勝手に解釈、持論を展開するのは、やめてほしいものです。。

ps ・・などといろいろ書きつつ、自分はまだ読んでいないので、今読んでいる本が片付いて時間に余裕ができれば、読み始めたいと思います。読み終わるまでに1ヶ月はかかるでしょうね〜(^^ゞ